あさイチ ヒスタミン食中毒 7月31日放送

はじめに

こちらの内容は決して魚屋さんやその他正式なルートで販売されている魚の販売、魚を食べることを否定するものではありません。特にこの時期、資格を持たない方が自家用の調理をする場合に気を付けておきたい事柄をお伝えする目的で、ご紹介しています。

ヒスタミン食中毒とは

ヒスタミン食中毒とは、魚を食べて起こる食中毒のことで、冷蔵技術が今ほど発達していなかった1950年代まではかなり多く発生してしまう食中毒のひとつでした。近年冷蔵技術が発達したことによって以前ほどの大規模発生はありませんが、依然として小さな食中毒は度々起こっています。鯖にあたるという言葉がありますが、ヒスタミン食中毒に関する正しい知識を身につければ、この言葉は実は少し違っていて、実際には魚自体にではなく細菌が引き起こしている現象であることが理解できます。番組内で紹介されていた2つの例を参考にしながら、ヒスタミン食中毒とは何なのか、どのような魚に対して起こるのか、どのような状況で起こるのか、私たちはどうすればヒスタミン食中毒を避けることができるのかを考えて行きます。

 

スポンサードリンク

釣った鯖を食べたら

関西在住のAさんは大の釣り好きです。6月のとある日、友人に「いいポイントがある」と誘われて夜釣りに出かけました。釣りをはじめて数十分、40cm以上はある見事な鯖が釣れてAさんは大喜び。すぐに頭を折って血抜きをし、内臓を取り出し、持ってきたクーラーボックスに釣り上げた鯖を収納しました。クーラーボックスには、適度な大きさの保冷剤が1つ入れてありました。釣り上げたばかりの鯖を持って帰ると聞いたAさんの奥さんは、その日のうちに調理をしました。釣り上げてからは3時間が経過していました。こんな新鮮で大きな鯖はめったにお目にかかれないと考えたAさんの奥さんは、鯖鮨にして食べようと決めていました。塩を振り、砂糖と酢で味を調え午前3時までかかって鯖寿司が完成しました。あくる日の朝、早速出来たての鯖寿司を家族で食べました。トロトロでめっちゃおいしかったと言います。しかし3時間後、奥さんは頭痛から胃痛、やがては腸の痛みに襲われました。旦那さんは気持ちが悪くなり、一日中食欲がありませんでした。娘さんは嘔吐してしまいました。鯖によるヒスタミン食中毒が原因と考えられます。

素人の処置

 鯖は昔から傷みやすい魚と言われています。鮮度が落ちやすいために、丸のままで市場に出す場合は、首を折り、内臓が摘出される場合もあります。Aさんの処置は間違えてはいませんでした。ヒスタミン食中毒は、温度管理が大切です。考えられる原因としては、保冷剤の力が不十分だったこと、あるいは、何度も開け閉めをしたことによって保存する温度が上がってしまったこと、調理をする環境や時間などが考えられます。

マグロの兜の塩焼きでも

Bさんはとある販売所でマグロの兜が販売されているのを見て、これを今晩のおかずにしようと考えました。早速購入し、発泡スチロールの箱に入れて自宅まで持ち帰り、1-2時間そのままにしておいた後に取り出して調理を開始しました。きれいに洗った後、生臭さを取るために塩をして、染み込ませるために30分置いた後、オーブンで1時間塩焼きにしました。焼きたての兜はとても美味しく、家族で食べたのですが、食後30分経過した頃に娘さんが気持ち悪さを訴え、奥さんは頭が痛くなるという、食中毒の症状になってしまいました。

加熱しても減らない

 食中毒を起こす原因であるヒスタミンという物質は、102度で3時間加熱しても一部しか破壊されません。熱には強いのです。魚を選ぶ際に「傷んでいるかもしれないけれど、加熱して食べれば大丈夫だろう」と思う方がいらっしゃると思いますが、この考え方はとても危険です。魚を食べる場合は温度管理されている新鮮なものを食べるようにしましょう。

ヒスタミン食中毒が起こる仕組み

魚、マグロや鯖などの血合いを多く含む魚は、筋肉中にアミノ酸の一種であるヒスチジンという物質を持っています。魚を常温で保存していると、バクテリアが発生し、このヒスチジンをヒスタミンに変えてしまいます。この時のバクテリアの活動に最適な温度は20度から40度です。ヒスタミンを多く含んだ状態の魚を食べてしまうと、ヒスタミン食中毒が起こってしまいます。人によって症状は様々ですが、食後2-3時間のうちに、下痢、嘔吐、頭痛、じんましん、悪心、めまい、ピリピリとした感じ、などの症状を起こします。この中の2-3の症状が出る場合がありますが、6時間から1日程度で治ってしまいます。生食に限らず、イワシやサンマの干物やサバ缶でも起こってしまった例があります。

気を付けること

 魚は温度管理がとても大切ですので、常に保存温度に注意するようにします。魚は購入後、すぐに食べるようにします。残ったものは冷蔵、冷凍保存します。鮮度が落ちた材料は食べないようにします。煮たり焼いたりすればいいだろうと思うのは危険です。食べてみてピリピリする感じがするなどの違和感があった時には食べないようにします。我々日本人は生で魚を食べる機会が多いものですが、正しい知識を身につけて、楽しい食生活を送りたいものです。

スポンサードリンク

あの美白成分で、黒ずみケアができます

kuro

page top