宝島社 日本刀図鑑 刀剣商

日本刀が流行っている理由

何度かお読みいただいている方には恐縮ですが、私は少し前まで刀剣を海外へ販売して生計を立てていた時期があります。いわゆる刀剣商です。刀剣商と聞くと皆様どのようにお感じになられますでしょうか?例えば単純に日本刀に興味があったとして、「刀剣フェア」などに足を運ばれますか?

 

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 世の中には流行するものがいろいろとありますが、その要因は様々です。単純に好きだからと言ってしまえばそれまでなのですが、商売としての日本刀を「マーケティング」などというカッコつけた観点から考えてみるなら、「どうして日本刀が好きなのか?」を考えてみる事が大切です。今回宝島社の日本刀図鑑が売れている背景には、面白い要因が存在しているのです。

アニメやゲームに潜む影響力

刀剣商を少しばかりやってきて感じたことは、刀剣自体を好きなのは男性が圧倒的に多いという事です。刀剣界には独特の雰囲気があり、素人を寄せ付けない雰囲気さえ感じられます。ただ、これは今までの刀剣界の勝手であって、これからお話する刀剣のマーケットは全くの別物です。ゲームやアニメは日本の文化として海外からも高く評価されていますが、同じストーリーを扱う媒体であっても日本文学と同じ場所に位置する事はできずにいます。日本文学には独自の世界観と価値観があり、ゲームやアニメと一緒に日本文学を考えることは御法度というのが一般常識となっています。今回の刀剣に関して、深く影響力を与えているのが「刀剣乱舞」というゲームです。「とうけんらんぶ」と読み「とう☆らぶ」などとも表記されます。ゲームと言えば家庭用ゲーム機、任天堂のファミコンなどを連想する方も多いと思いますが、とうらぶはオンラインゲームの中の「育成趣味シミュレーション」というジャンルのゲームになります。ゲーム機にカセットを差し込むものではなく、インターネットに繋がっている画面が舞台です。プレイヤーは有名日本刀の銘を元に擬人化された、「刀剣男士」を集め、強化し、合戦場の敵と相戦います。この刀剣男子がとてもカッコよく、日本刀の銘の名前が付いていることもあって、日本刀の銘がこのゲームの愛好者に広く知れ渡ることとなっているのです。ちなみに刀剣乱舞の愛好者は女性が圧倒的に多いのです。このように、今までの「刀剣」へのアプローチとは全く異なる方法で日本刀への興味が沸いているという方が大勢いらっしゃるのですね。

今までの刀剣本

刀剣類に興味があり収集するご趣味をお持ちなのは、経済的にも比較的裕福な階層の方が多いと言われています。今でこそオークションでも取り扱いできるようになりましたが、銘のある、程度の良い日本刀を購入しようとすれば、数十万円はします。手入れも必要ですし、刀の切れ味を維持するための「砥ぎ」にもお金がかかります。このような事から今までは「刀剣」を趣味とするのは経済的に余裕がある方というのが定説だったのです。何の趣味でもそうであるように、刀剣にも入門書や解説書が存在します。しかし、それらはこれから刀剣を勉強しようと思う者にとってかなり小難しい内容となっており、その上更に高い価格設定となっています。おそらく今の刀剣女子と呼ばれる方が手にされても、内容を理解するのは難しいかもしれません。

宝島社のムック本

そんな刀剣本の世界に一石を投じたのが、宝島社が発行するムック本日本刀図鑑 (別冊宝島 2346)です。宝島社は田舎暮らしの本などを手掛ける大手出版社で、別冊宝島に象徴されるムック本を得意としています。豪華付録付でも有名です。政治からサブカルチャーまで幅広い内容で、独特の世界に切り込んでいます。(余談ですが私も千代田区一番町の本社に依頼された原稿を持ち込んだことがあります) その宝島社が作ったムック本は刀剣界に革命をもたらしたと言っても過言ではないでしょう。1000円で114ページオールカラー、270振りの日本刀をビジュアル豊富に一挙に掲載しています。ゲーム「刀剣乱舞」に登場する銘もかなりあり、写真を眺めながら刀の話を読める内容となっています。相撲には太刀持ちの存在が欠かせませんが、大相撲と日本刀というコラムまで付いている上に、日本刀の究極の技と美学を1,000円というお手頃価格で読むことができるのです。私は刀剣を勉強するのに大変苦労しましたが、この宝島社のムック本であれば、気軽に眺めながら日本刀の知識を身につけることができるという点において、右に出るものはありません。刀剣女子の方々はもちろん、これから日本刀を勉強してみたいと思っている方にもおすすめのムック本です。

 

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