40年前の世田谷区は田舎だったのか？

私は昭和41年、世田谷区の北烏山という所で生まれました。世田谷区には京王線が走っていますが、京王線の駅で言うと、千歳烏山という駅の近くです。その後数年住んだ後、次は同じ京王線沿いの下高井戸という駅の近くに引っ越しをしました。子供というよりも赤ちゃんでしたので、烏山での生活の記憶はありません。幼稚園と、小学校5年生の一学期までを、世田谷で過ごしました。当時はこんな感じでした。

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当時は借家に住んでいました。風呂はありません。毎日ではありませんでしたが、よく銭湯に行きました。友達の家に遊びに行っても、風呂のない家は結構ありました。銭湯は、徒歩圏内に三つもありました。小さい頃から銭湯に通っていましたので、今でも温泉旅館などで裸になるのは苦になりません。私は男ですが、少しだけ女湯の記憶もあります。殆ど思い出せませんが、脱衣所には赤ちゃんの着替えのために用意されているベッドがありました。

何とか徒歩で行ける範囲内に、牧場がありました。その名を四谷軒牧場といい、4000坪弱の敷地に、沢山の牛が飼われていました。その昔、四谷から赤堤に引っ越してきたらしいです。近くに銭湯があったので、銭湯の後、歩いて牛を見に行くのがとても楽しみでした。

今とは違い車は少なく、子供が沢山いましたので、駄菓子屋さんが沢山ありました。私は小学校に入ると、一日20円のお小遣いをもらうようになり、駄菓子屋に通い詰めました。かどや、とか、ももや、とかの名前がついていました。小学生の時、嘘か本当かはわかりませんが、駄菓子屋大好きだった友人が、色の付いた飲み物を毎日飲んでいたら病気になってしまい、命を落としてしまった、と聞いたことがあります。真偽の程は定かではありません。

下高井戸という駅の近くに赤松公園という公園がありますが、ここのグランドで、毎日野球をしていました。今のようにいろいろとうるさくない時代でしたので、とても楽しかったです。時には桜上水団地の中の公園にも行きました。これは試合の時だったと思います。ここには旗が立っていて、赤い旗だと入ることができませんでした。野球は下手くそで、殆どバットに球が当たりませんでした。何度か女子が応援に来てくれた事がありましたが、レギュラー出場するも、全く活躍できませんでした。

隣の組に、とても野球の上手い奴がいました。彼は建設業をしている家の子供です。全く異次元の動きで、調布リトルリーグに入りました。やがてどこかの高校に行き、何と読売ジャイアンツに入団しました。ズームイン朝にも出ていたと思います。書いて良いのかな、上福元勤君だったと思います。

これまた隣のクラスに、ビックマンモスで活動している奴がいました。芹沢君と言いました。時々仕事で学校を休んだりして、子供心にうらやましかったのを思い出します。二件隣にとても仲の良い同級生がいたのですが、彼と芹沢君はとても仲良しだったので、お近づきになりたかったのですが、そんなに仲良くはなれず、悲しかったのを思い出します。

小学校は松沢小学校です。私が入学した頃は、入学式の時に桜が咲いており、何故だか桜の苗木をもらいました。姉の桜は根付いて成長し、毎年綺麗な花を咲かせましたが、私の苗木は枯れてしまいました。当時は木造校舎がまだありました。私は小学校三年の時、高田先生という担任の先生でした。頭がつるつるなので、歌を作って楽しんでいました。当時はプロ野球で巨人がV9に向けて活躍しており、ライト高田、というアナウンスと、担任の高田先生の頭とを掛け合わせて、みんなで笑っていました。その罰があたったのか、私は給食の時に腹が痛くなり、高田先生に「先生、うんちしてきていいですか？」と言ったらたいそう怒られました。でもこの先生、通信簿では私にとても良い評価をくれました。

下高井戸から三軒茶屋をつなぐ、かわいい電車、これは私たちにとっては玉電です。東急世田谷線というのですが、私は玉電としか呼べません。この玉電ですが、当時はよくストライキをしていて、私は線路の上をよく歩いた記憶があります。また、小学校五年生で引っ越すまで、子供料金がなかったと記憶しています。当時は全て緑の電車でした。内装が木で出来ている電車も走っていました。

小学校五年生の夏休み、時代の流れで、借家生活に別れを告げるときが来ました。とても寂しかったのですが、次の家は同じ京王線沿いの高幡不動でしたので、何とか我慢しました。引っ越してからもしばらく世田谷の友人達とは付き合いがありましたが、さすがに40年も経過してしまうと、もうわかりません。いがらしくん、ふるはたくん、おおたにくん、あきらくん、わたなべくん、こんどうくん、かわすみさん、みんな何しているのかな?
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